過去最多応募作の中からダイヤモンドグラミネーションに輝いたのは
袴田くるみ様『アイアンプレッジ』☆☆☆

1~20分のオリジナルアニメ作品を募集するアニメコンペ「もえろ!アニメコンペティションフクヤマニメAWARD2023」。フクヤマニメ初日の10/21(土)に表彰式が開催され受賞作品が決定しました。過去最多の50を超える応募作の中からダイヤモンドグラミネーションに輝いたのは袴田くるみ様『アイアンプレッジ』!!!さらに審査員特別グラミネーションには水野愛弓様『きつねつき』様が選出されました。受賞された皆様おめでとうございます。そしてご応募いただいた皆様に心よりお礼を申し上げると共に、これからのさらなるご活躍を楽しみにしております☆

◆受賞作品

ダイヤモンドグラミネーション
袴田くるみ様 『アイアンプレッジ』

◆ダイヤモンドグラミネーション受賞者・袴田くるみ様コメント

この度は、貴重な賞をありがとうございました。この作品は、携わった全ての方の思いが詰まったものなので、大切に制作しました。それぞれの登場人物の視点によってストーリーが違って見える作品なので、何度でも楽しんでいただけたら幸いです。この作品が評価していただけたこと、思いが伝わったことを本当に嬉しく思っています。この作品に関わってくださった皆様、応援してくださった皆様に感謝申しあげます。

審査員特別グラミネーション
狐日和 水野愛弓様 『きつねつき』

◆審査員特別グラミネーション受賞者・水野愛弓様コメント

この度は審査員特別グラミネーションに選んでいただきありがとうございます。「きつねつき」は大学の卒業制作として6人のメンバーで作り上げたものです。全員が苦労して制作した作品でしたが、4年間の集大成をこうして高く評価してくださったこと、たくさんの方に観ていただけたことをとてもうれしく思っています。この作品が誰かの心に残る、癒しになっていればうれしいです。改めて、ご好評いただいた審査員の皆様、見てくださった皆様、ありがとうございます。

羽原 信義さん

只野 和子さん

岡 秀樹さん

笠間 寿高さん

【審査員長 羽原信義さん総評】

今回は本当に多くの作品と出会うことができ、審査員一同驚きと感謝で一杯です。7作品が上映されましたが、もっとたくさんの作品を上映したいと思えるほど評価の高いものが多く、選定は本当に僅差でした。フクヤマニメにご応募いただき、心よりお礼申し上げます。

ダイヤモンドグラミネーションを受賞した「アイアンプレッジ」は、森山周一郎さんの、おそらく最後のナレーションの素晴らしさはもちろん、袴田くるみ監督の素晴らしいセンスが凝縮された作品だと感じました。画面の構成力、送り描きによる味わい深い動き、見事なバランスの色彩、そしてタイトルが現れる瞬間の音量調整に代表される音の演出は、素晴らしい音楽を見事に際立たせつつ、作品に寄り添っていました。現在の商業アニメーションでは到底たどり着けない領域の作品だと思います。

審査員特別グラミネーションを受賞した「きつねつき」は、最新の3DCGでありながら、優しくて懐かしい感覚を見事に表現した作品。まさかここまで水彩画のような表現が出来るとは・・・本当に驚きました。キャラクターデザイン、モデリング、レンダリングなど、かなりのテストをされたのだと感じました。モーションも2ステップを上手く使ってリアルに行き過ぎない工夫を感じました。まるで、かつてのレジェンドアニメーターが描いたかのように感じる動きでした。技術だけでなく、ストーリーに引き込まれ、審査を忘れて見入ってしまい、最後は感動しました。何度でも見返したくなる作品です。

【審査員 岡秀樹さん総評】

「アニメコンペティション」が、驚くほどの飛躍を遂げた事をまず嬉しく思います。応募本数は昨年の4倍以上。内容面の多彩さ、質的な向上は目を見張るばかりでした。審査の過程で「これは優秀作だ」と思い、私が花丸をつけたのはなんと29作品。上位5作品はいずれもほぼ満点だったことをご報告します。当日選抜された7作品は、観客を驚かせ、笑わせ、そして感動させました。「創作にプロもアマもない」はっきりそう思わされました。遠い昔に8ミリフィルムのカメラを手にして、特撮や人形アニメの「真似っこ」をやり続けた身としては、どの作品も眩しくて眩しくて……。「これを作りたい。形にして伝えたいんだ!」というあなた方の想いに触れることができたのは本当に幸せなことでした。制作に携わられた皆さんに深く感謝します。最後にーー惜しくも上映にはいたらなかったのですが、『マンガガールズ』。この作品に、僕は羨望と嫉妬をはっきり覚えました。皆さん、来年もフクヤマニメにぜひ作品をお寄せください!

【審査員 笠間寿高さん総評】

56作品という過去最大のご応募、大変ありがとうございます!本年度は更に熱のこもった作品が集まっており、選考にも熱が入りました。作品を拝見していて気づいたこととしては、【CGアニメ、コマ撮りアニメ、画調アニメ等、従来のセルアニメ以外の手法の作品が花盛りだったこと】【YouTubeライブ風など、従来のドラマ形式以外のストーリーテリングが目立っていたこと】など、従来の枠にとどまらない、自由な発想にもとづいた作品が多く、幅広い映像表現を愉しむことが出来ました!

ダイヤモンドグラミネーション受賞作は、故森山周一郎さんの語りによって紡がれる一篇の悲劇なのですが、産業革命後の西洋の街並みや、色鉛筆タッチの70年代の少女漫画的キャラクターなど、どこか軽やかな画面のおかげで、12分強の短編を心地よく拝見することが出来ました。お話の運び方も洗練されており、新しい作品も楽しみにしたいと思います。